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【作業用 CD】マトリックス "THE MATRIX" DSDリマスタリング版サントラでデジタル世界に "I'm IN"

マトリックス "THE MATRIX" サウンドトラック

 

THE MATRIX

1999年、映画史に革命を起こした作品。社会現象が起きたとも言われます。1999年のマトリックス原作が革命的な作品。続編 2003年の リローデッド・レボリューションズ・アニマトリックスを見ることで、世界観を堪能することができます。(2021年のレザレクションズは、風刺的作品/オマージュ作品としての位置づけで良く、やや世界観が壊れています。)

蔦屋書店での中古 CD 販売

蔦屋書店を散歩していたら、THE MATRIX のサウンドトラック (DSD リマスタリング版) が安売りされていました。古くなった レンタル用 CD を100-200円レベルの低価格で販売しているようです。「今さら買わなくて良いのではないか...?」 そう自問自答し、しばらく手にとっては置き、手にとっては置きを繰り返しました。
ただ、「原価で買うのはもったいない。だが、スタバのコーヒーより安い金額で、デジタルリマスター版が買えるなら、資産になるのではないか」と思い、購入しました。

結果、YouTube よりはるかに良い音質。購入して正解でした。

 

THE MATRIX -original motion picture score-
Don Davis
 (オリジナル音源: 1999/5/4, DSD リマスタリング: 2014/10/22)

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やや古さを感じるものの、圧倒的な世界観が蘇ります。

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*オーディオシステムは、DENON, HEOS搭載オールインワンミュージックシステム(RCDN10W/K) ホワイト。リサイクルショップで買った DENON のスピーカーをつないでます。

 

このサウンドトラック、ランブリングレコード (Rambling Records) さんによる、映画 50作品のリマスタリングでした。"THE MATRIX" は、その 50作品の中の一つ。

「この音楽、どこかで聴いたことある…」そうした音楽のフレーズは、映画のサウンドトラックの楽曲であることがしばしば。映画音楽の「スコア」と言われる音楽の深さ、そしてそのクオリティの高さを皆さんに体感して頂くべく、全ての音源にDSDリマスタリングを施し、往来よりも低価格で発売することになりました。より良い音源に生まれ変わったサウンドトラック、一挙50タイトルをお楽しみ下さい!

www.rambling.ne.jp

収益はそこまで期待できない分野と思われますが、ランブリングレコード (Rambling Records) さんのサントラ愛、でしょう。

 

よく、古い音源・CD の「デジタルリマスター版」の販売を見かけます。「デジタルの CD → デジタルの CD再販売でデジタルリマスター版?」と疑問になりますが、ここについては、TDK のサイトで分かりやすい説明がありました。

さて、古い音源がCD化される場合には、「デジタル・リマスタリング版」と称する盤が目につきます。もともとアナログレコード用に製作された音源をCD化する場合、その段階で「デジタル・マスタリング」処理は行なわれているわけですが、たとえば15年前に用いられていた発展途上のデジタル機器に比べると、今日のレコーディング機器ならびにDTR用ソフトウェアの機能や性能は、まさに桁違いのレベルにあります。
 極端な話をするなら、アナログレコードそのものを音源としてパソコンに録音し、DTRソフトを用いてノイズ成分だけを消去した上で、各楽器の音量バランスやエフェクトを再調整……といった作業を行なうことで、楽曲やアルバム全体の印象をまったく変えてしまうことも可能なのです。

 もともとデジタル・マスタリングで作られたCDであっても、事情は同じです。また、サウンドにはその時々の流行や時代性というものがあります。たとえばリズムセクションのビートが強調されたサウンドが流行っているなら、リマスタリング作業によってそのような印象に生まれ変わらせたり、まったく逆に録音当時の状況をいっそう強く印象付ける、といったことが可能なのです。
 そのあたりをどうするか? は、ひとえにミュージシャンやプロデューサーの意向しだいです。

CDの「デジタル・リマスタリング」ってなんだ?|テクの雑学|TDK Techno Magazine

ここに引用した部分以外にも、勉強になる部分が多い、分かりやすい解説です。

一つの CD が出ていても、それは収録された音源の一つの解釈でしかない。最近 ハイレゾなどが流行って久しいですが、高音質への追及は、限界の無い挑戦のようです。

 

さて、この マトリックス "THE MATRIX" のサウンドトラック、聞き所が、ランブリングレコード (Rambling Records) さんのサイトに記載されていました。

【DSDリマスタリングでの聴き所】

元CDの特徴
1999年リリースと今回の中ではやや古い音源
・おそらくマスターがアナログ・テープなのだろう、何ヶ所かアナログ・テープ特有の歪みがある。
・故に他作品と比べるとレンジやダイナミクスも狭いが、なぜかそれはそれで不満には思わない (歪みはもったいないが)。
・音圧は低め。
・アタック感は遅い (やや古い音源を聴いている感がする)。

今回のマスタリングの聴き所
・このまま音圧を上げると線が細いままになってしまうので、少し補正してから音圧アップ。
・MS コンプ (Dangerous Compressor) と共に使っているマスター・コンプ (TK Audio BC1 mk2) のコンプ音の割合を通常3割のところ、4割弱くらいまでアップ。 これにより他作品に負けない音圧に。
・これはこれでホッとするサウンド。

【DSDリマスタリングとは?】
元マスターのデジタル信号を、最新機器を用いDSD(Direct Stream Digital)でリマスタリングする手法。より原音に忠実で、アナログライクなサウンドを通常のCDでもお楽しみ頂けます。DSDマスタリングに用いられる<MSマスタリング>という手法によって、センター音像は力強く定位し、サイド音像は高域を美しく伸ばしつつ、左右だけでなく前後にも広がっています。巨匠たちが生みだしたサウンド・トラックの名盤が、繊細かつダイナミックな「超立体的三次元サウンド」で生まれ変わりました。まったく新しいサウンドでありながら、それぞれの年代へのタイム・スリップを楽しんでいただけたら幸いです。

ototoy.jp

「アナログテープ→ CD」の音源をデジタル・リマスタリングで、調整しているようです。結果、コンポで CD を聞いて、満足する音質が得られています。
やはり、YouTube で輝く音楽と、しっかりとしたコンポ・スピーカーで聞いて輝く音楽は異なるように思います。パソコン + YouTube で聞くと全く心に響きませんが、スピーカーで聞くと、心が揺さぶられ、この "THE MATRIX" の音楽が意図する焦燥感・圧迫感が伝わってきます。
映画の中での、音楽の力の重要性が良く分かります。

 

CD での鑑賞をお勧めしますが、下に収録曲をまとめます。

THE MATRIX -original motion picture score-
Don Davis
  オリジナル音源: 1999/5/4
  DSD リマスタリング: 2014/10/22
1. Main Title/Trinity Infinity (3:55)
2. Unable To Speak (1:13)
3. The Power Plant (2:42)
4. Welcome To The Real World (2:26)
5. The Hotel Ambush (5:23)
6. Exit Mr. Hat (1:22)
7. A Virus (1:33)
8. Bullet-time (1:10)
9. Ontological Shock (3:33)
10. Anything Is Possible (6:52)

1. Main Title/Trinity Infinity (3:55)

www.youtube.com

「マトリックス」の始まりはこれだ!! と言わんばかりの映画開始時のメインテーマ。冒頭 40秒での緊張感をあおるオーケストラの旋律。一気にマトリックスの世界観に引き込まれます。

 


2. Unable To Speak (1:13)

www.youtube.com

マトリックスファンは、このタイトルを聞けば、どのシーンかがわかります。

 

3. The Power Plant (2:42)

www.youtube.com

01:00 からが、マトリックス世界のファンファーレ。マシーンシティに出会い、知った時の絶望・衝撃、全てを象徴します。

 

4. Welcome To The Real World (2:26)

www.youtube.com

現実世界を表す、静かな曲。女性の声が神秘的な世界を表します。

 

5. The Hotel Ambush (5:23)

www.youtube.com

マトリックス世界に侵入し、ミッションを開始する。
そんな緊張感があります。"I'm IN" 言ってみたいです。
そこからの格闘シーン。

 

6. Exit Mr. Hat (1:22)

www.youtube.com

不協和音が象徴的です。

 

7. A Virus (1:33)

www.youtube.com

弦楽器が目立つ楽曲。

 

8. Bullet-time (1:10)

www.youtube.com

マトリックスで注目された映像技術 "Bullet-Time"、その名を冠した楽曲。

 

9. Ontological Shock (3:33)

www.youtube.com

戦いを表す力強い楽曲。不協和音に加え、オーケストラの重厚感が加わります。

 

10. Anything Is Possible (6:52)

www.youtube.com

このサウンドトラック最終曲、そして、最長の楽曲。トリニティとネオの会話が蘇ります。再生・復活の期待を期待する、力強い楽曲。それまでの不協和音で緊張感をあおるテーマとはやや異なり、弦楽器・管楽器が層状に重なり、重厚感を表します。

 

THE MATRIX -original motion picture score-
Don Davis
 (オリジナル音源: 1999/5/4, DSD リマスタリング: 2014/10/22)

 

様々な分野でインフレや物価上昇が指摘されています。また、サブスクリプション全盛となり、各種、インターネットで鑑賞・支払いまで完結するようになっています。
一方、実店舗では人知れず、100-200円のレベルで資産となるデジタルリマスター版 CD が購入できます。YouTube よりはるかに良い音質を得られ、自分の精神の充実も得られます。

 

そんなお金と時間の使い方もできる、そう思えたサウンドトラックでした。