見かけたピカソの画風で、マスク生活を思う。
知人宅のピカソのポスター
知り合いの家の壁に、ピカソの絵のポスターが掛かっていました。
もちろん本物ではなく、レプリカ・ポスター。ただ、額に入って飾られているだけで、空間をおしゃれなものにしてしまう、不思議な魅力があります。
「この絵はピカソだ」画風を見ただけで、誰もがわかる。そんな画風です。
知り合いの家にあったのは、これとは少し違いますが、ドラ・マール "Dora Maar".
A portrait by Pablo Picasso of French-Croatian artist Dora Maar – whom he was romantically involved with for nearly a decade – is expected by Sotheby’s to sell for millions this month. https://t.co/8Istxu0REo
— Forbes (@Forbes) 2022年4月18日
抽象絵画・キュビズム・シュールレアリスムの価値とは
キュビズム・シュールレアリスムといった、抽象的な画風を確立したピカソ。教科書で誰もが知る画風です。一見「誰でも描ける下手な絵」と揶揄されることもありますし、私も何がすごいか長年理解していませんでした。
ただ、最近、年齢が進むとともに、徐々にピカソの絵の価値を理解するようになってきました。
👀 Els ulls de Picasso, intensos i profunds, van captar l'atenció de fotògrafs i d’escriptors durant tota la seva vida.
— Museu Picasso, Bcn (@museupicasso) 2021年10月21日
📸Eren la seva eina per a retratar el món, i, inevitablement, apareixien als seus quadres: Picasso es compenetrava amb el seu treball. pic.twitter.com/2dsUtNibYj
コロナ禍・マスク生活で表情が失われた
そのきっかけは、コロナ禍での、マスク生活です。
2019年12月に中国湖北省武漢市で報告されたウイルス性肺炎・後の COVID-19 感染症。2020年2-3月頃にマスクパニック現象が起きた後、現実世界で目にする全ての人々が、マスクで顔の半分を覆うようになったのです。
それは、全ての人々の顔のリアリティを半分、強制的に奪う、という現象を引き起こしました。長期化するマスク生活。顔の上半分のみで表情を読み取る世界。膨大な情報量を得られる、顔・表情。その情報を我々は失ったまま、生活することになったのです。人々を一見して正面から観察しても得られる情報は大きく減少しており、複数の視点、表情・行動の時間変化、声色などを総合して、その人を判断するようになりました。
ピカソの多面的な視点
パブロ・ピカソ (Pablo Ruiz Picasso, 1881/10/25~1973/4/8. 没年91歳)
学童期・青年期に絵を学び、当時は、写実的絵画を描いていましたが、後期は、キュビズム・シュールレアリスムと言われる、抽象画を描くようになっています。
アヴィニョンの娘たち, 1907年, ニューヨーク近代美術館
Pablo Picasso, Les Demoiselles d'Avignon, Paris, June-July 1907 https://t.co/CMdjGAfmHv #pablopicasso #museumofmodernart pic.twitter.com/28q4zbMHin
— Pablo Picasso (@pablocubist) 2022年4月16日
代表的な作品とされています。遠近法や写実主義を一切排した画法。事物の形を解体した後、複数の視点から再構成する「キュビスム」の起点とされます。この、「複数の視点からの再構成」。年齢が進むごとに、理解できるようになってきました。
人や物事は一面では捉えることはできません。善・悪も切り分けられませんし、時間の変化、自分の感情の変化でも正反対の考えに至ることもあります。
一面のみ切り取るリアリズムは、その時の状況を正確に切り取ることができますが、ある意味では、本質を表現できていないことにもなります。
高次元で得られる「本質」を二次元に落とし込む技術
「複数視点から見て得られる本質」を、情報を整理し二次元の絵画に落とし込む。これは、三次元の情報を二次元に、四次元の情報を二次元に、といった、次元を変えて表現する、高度の技術と感じるようになりました。
また、写実主義の場合には、対象が規定されてしまいます。特定の個人や事象ではなく、「脳内で処理された記号や感情」を描くことで、多くの人に共通する脳内変化を表すことができるようになっているように思います。
マスク生活で、詳細が失われ、情報が限られるようになった2020年以後の世界。
ピカソが描く「複数の視点からの再構成」
ここに大きなヒントがあるように思います。
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ピカソの絵画、時系列順に紹介
Science and Charity, 1897, Museu Picasso
🗓️1 de febrer de 1900. #TalDiaComAvui el @Restaurant4Gats acull la primera exposició individual de Picasso: un conjunt de dibuixos (retrats d'amics escriptors i pintors), i la pintura titulada ''Últimos momentos'' (possiblement, ''Ciència i Caritat'', de 1897). pic.twitter.com/ePpMBEBlcE
— Museu Picasso, Bcn (@museupicasso) 2022年2月1日
Seated woman, 1923, Allen Memorial Art Museum (AMAM)
Seated woman, 1923 #pablopicasso #picasso pic.twitter.com/HZOW8zjKoB
— Pablo Picasso (@pablocubist) 2022年4月22日
Weeping Woman, 1937, Tate Modern, London
Pablo Picasso, Weeping Woman, 1937 https://t.co/am3go5ihC2 #pablopicasso #tatemuseum pic.twitter.com/qBTmIi4PY3
— Pablo Picasso (@pablocubist) 2022年4月2日
Head of a Woman No. 6, Portrait of Dora Maar, 1939.
Pablo Picasso, Head of a Woman No. 6, Portrait of Dora Maar (Tête de femme No. 6, portrait de Dora Maar), 1939 https://t.co/iMZTf9R19T #museumofmodernart #pablopicasso pic.twitter.com/mbj91ZO7FK
— Andrei Taraschuk 🇺🇦 (@andreitr) 2022年4月23日
https://twitter.com/museupicasso/status/1488428618246234114?s=20&t=XBEmgSwEsOhs14ujOxahvA
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