恐竜学者 小林快次氏の生き方は心に染み入る
何気なくテレビを見ていたら、自分の感情を揺さぶるような出会いをすることがあります。
それが NHK アカデミア での放送。
「小林快次 (恐竜学者)」
こんなにもパワフルでありつつも、弱者に寄りそうトップランナーがいたとは...。
小林快次 氏。
恐竜学者として、様々な化石・全身骨格を自ら発見する、行動派の学者。
その道具・研究活動の実際から、精神論まで語ってくれます。
素晴らしいのは、その精神論。極めて前向きに語ってくれます。
~例えば、私が今年「こういうのが新しい事実ですよ」と発表して、来年また違う発見によって、いやそれはちょっと違うんじゃないか、ちょっと訂正したり否定されたりしても、それは全然いいことなんです。否定されると嫌な気持ちになるかもしれないんですけど、実は、私たち研究者においては、そういうのは否定ではなく前進なんですね。むしろ喜ばしいことです。~
自分の発見に固執せず、ただただ前を向く姿が、共感を呼ぶ部分です。
(化石が) 見つからなかったということは、次の日に見つかる確率が高まった。
これほどまでに前向きな言葉があるでしょうか。
ただ、今回の放送で衝撃を受けた部分は、そんな前向きな言葉ではありません。
~こうやって私の仕事の話をすると、みんなから「先生、楽しそうですね」とか「先生、恐竜研究って天職ですね」とよく言われます。ただ私は子ども時代に遡ると、もともとは恐竜研究者になりたかったわけではないんです。みんなの中には恐竜研究者になりたい人がいっぱいいると思うんだけれど、私は、子どもの頃って、夢をあまり持っていなかったというか、夢を持てなかった子ども時代でした。
~中略~
それまではどちらかというと、他人に言われたこと、あとは人の期待に合わせるように行動する自分というのがあって、本当の自分というのを完全に失っていた時代なんですね。その典型が、アメリカに留学、旅行に行っちゃうというのがそうなんですけど、人に言われたら「はい」っていうのが、自分のやり方なのかなと思っていたんです。~
現代、これらの言葉に自分を重ねてしまう人は多いのではないでしょうか。
私もまさに、これに合うような人生を送ってきました。
自分の生き方のようで、自分ではない。
流されて、その場で自分の手が届く範囲の選択肢を手に取っているだけで、決して選び取っているわけではない。
自分で選ぶ習慣がないから、人に言われたことを淡々とこなしている。
そんな自分の芯に響く。しかし決して乱暴ではなく、優しく響く、そんな言葉が連なりました。
カルペディエム 今をつかめ。
先々を見ず、一歩を踏み出す。
今を大切に。
感銘を受けた、さすが NHK E テレ。
*この NHK アカデミア、ホームページで全文読めます。
読んでる最中にお勧めの YouTube 動画がこれッ!!