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【遅れて涙腺崩壊】芳醇な大人の映画「ニュー・シネマ・パラダイス (字幕版)」 1989年

あれ、今日は涙腺が緩んでいるぞ。
月曜で色んな会議があるんだが、関係無いところで涙がにじみ出てくる

涙目のルカみたいだ。ケンカしたわけでもパッショーネに入団したわけでもないんだけどな...。

そうか、昨日の夜、あの映画を見たんだった。

 

 

ニュー・シネマ・パラダイス (字幕版) 1989年

 ジュゼッペ・トルナトーレ監督 2時間4分

 

 仕事でストレスが溜まってるなぁ。
 泣ける映画を見たいなぁ。

 

作り手がわざとらしく「泣ける映画」として作っている映画も嫌ですし、名作とされる作品で、泣ける映画があるといいな...

そう思った私は、ネットで様々なレビューを見ました。

 

その中で、比較的気分が向いたのが、「ニュー・シネマ・パラダイス」
第二次世界大戦後~1980年代のイタリアを舞台にした、「ニュー・シネマ・パラダイス」。1990年の第62回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞しています。
名前は聞いたことがありましたが、まだ一度も見たことがありませんでした。
今日はこれに決まりだッ!!
Amazon Prime の無料ではなく、Amazon Prime レンタル ¥407- でしたが、泣けるためには安いもんだッ!!


時は、1980年代。ある男性のもとに、故郷シチリア島より訃報が届きます。アルフレードという男性。そこから、少年~青年時代の回想として物語が始まっていきます。

導入部分は、イタリア語の響きが新鮮であったり、戦後のシチリア島として時代が違うところに集中力をそがれましたが、それもほんの一時。すぐに世界に入り込めました。
「シネマ・パラダイス」という映画館を舞台にした、主人公トト (サルバトーレ)と、映写技師 アルフレードの交流美しい映像と音楽で安定のストーリーが進んでいきます。
懐かしいような切ないような、感情を強く揺さぶるわけではなく、じっと見入って入り込んでしまうような、美しい映画です。
頭の奥が常にジーン...と痺れるような、淡い憧憬。それが後半まで続きます。
ただ、それまでに静かにたまりにたまった後半、駅のシーン。ここで、涙腺のダムが決壊しました
ここから後は、断続的に涙が溢れます。

映画を見る人のイラスト(泣く・男性)


ニュー・シネマ・パラダイス (字幕版) を観て感じたこと。

1) 観る世代によって感動の質が違う。

後半の駅のシーン。全く、大したことないありがちなシーンなのですが、大人になってから、わかる、様々な感情。
子供の頃に見ても、中々ここまで複雑な気持ちは理解できないかな、と感じました。
まるで、ワインの中に、複雑な芳醇な香りを感じるように。ブドウジュースでは感じれない、複雑な感情を全て受け止めれるようになったのだろう、と思います。
また、この複雑さ故、観る世代によって感動の質が違う、と思います。

 

2) きっと、「完全版」は観ない方がいい。

この「ニュー・シネマ・パラダイス」 Amazon で観れたのは「劇場版」 の2時間4分バージョン。ただ、こおの作品は、「完全版」 があり、「完全版」はなんと 2時間53分!! 50分も違うし、1.4倍の長さ!!
これは、劇場版を観るのは騙されて損してるんじゃない!?

しかし...。ネット上のレビューを見て、私は思いました。


... きっとこの「完全版」は観ない方がいい。観なくていい。

どうやら、完全版にあった、主人公の恋愛・特に再開に関連しての部分がカットされて、劇場版となっているようなのです。
結果、劇場版は、主人公 トト (サルバトーレ)と、映写技師 アルフレードの交流が、美しく描かれていました。恋愛は、誰もが青年期に経験する儚い思い出で、そう捉えれば、失恋や別れもまた切ないながらも美しく感じます。ただ、それが、詳細に描かれることで、美しさが生々しさに変わります。いわゆる「無粋」となってしまいます。
また、恋愛のテーマについては他の作品でもいくらでも描かれており、この作品のオリジナリティはありません。
この作品のオリジナリティは、主人公 トト (サルバトーレ)と、映写技師 アルフレードの交流。劇場版にするにあたって、恋愛部分を大きく削ったのは、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の英断だったと言わざるを得ません。

 

3) ネガティブ ケイパビリティ

ここで感じるのが、曖昧なことを曖昧なままとしておく力、ネガティブ ケイパビリティ。
映画の後半から終盤で感じる、切なさ・理不尽さ。これをこのままにしておくことで、この映画の美しさが際立ちます。完全版を観ればスッキリはするかもしれませんが、後味は悪くなると思います。
ネガティブ ケイパビリティ。曖昧なままの、劇場版のままで留める方が良いと思います。

 

di1980s.com

 

なお、この作品、[PG-12] マークがついています。

PG-12 ( Parental Guidance): 「小学生以下のお子様が視聴する際、保護者の助言・指導が必要。鑑賞する際にはなるべく保護者同伴をオススメする作品」 とされています。確かに思い当たるシーンは複数あります。

 

それはつまり、地上波では見ることができない可能性が高い作品。

各自で積極的に鑑賞。

大人の皆さんにお勧めです。

 

 

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