気づかなかった!! サントリー天然水は、地域によって違う。
暑くなってきました。買い置きしてた水でも飲もうか...
ん?
...阿蘇?
サントリー天然水って、アルプスあたりで作られてるような気がしてましたが...。
やはり、阿蘇で合っているようです。
「採水地: 熊本県上益城郡嘉島町」
「製造所: サントリービール(株) 熊本県上益城郡嘉島町~~」と書かれています。
サントリーの天然水、どのような体制で作られているのでしょうか。
サントリー天然水の生産体制
サントリー天然水。誰もが知る、国内トップシェアのミネラルウォーターです。
採水地は、既存3か所の南アルプス・阿蘇・奥大山に加え、2021年6月以後、北アルプス採水も販売され、合計4か所になりました。拠点となる4工場は、これらの4か所です。
- 天然水南アルプス白州工場/白州蒸溜所 (山梨県北杜市)
- 天然水北アルプス信濃の森工場 (長野県大町市)
- 天然水奥大山ブナの森工場 (鳥取県日野郡江府町)
- 九州熊本工場 (熊本県上益城郡嘉島町)
この4工場のうち、九州熊本工場は、ビール(プレミアムモルツ) と水・清涼飲料 (天然水) の両方を作るハイブリッド工場となっています。(ビールづくりのこだわり|工場のこだわり|サントリー九州熊本工場)
さて、それぞれの工場は、どれほどの規模で可動しているのでしょうか。
サントリー サイトレポートから水・清涼飲料工場をピックアップしてみる
国内工場のうち、ビール工場、ウイスキー工場等を除いた、水・清涼飲料の工場は下記があります。
- 羽生工場 (埼玉県羽生市)
- 多摩川工場 (東京都稲城市)
- 神奈川綾瀬工場 (神奈川県綾瀬市)
- 榛名工場 (群馬県渋川市)
- 天然水北アルプス信濃の森工場 (長野県大町市)
- 天然水南アルプス白州工場/白州蒸溜所 (山梨県北杜市)
- 木曽川工場 (愛知県犬山市)
- 高砂工場 (兵庫県高砂市)
- 天然水奥大山ブナの森工場 (鳥取県日野郡江府町)
- 宇治川工場 (京都府城陽市)
- 九州熊本工場 (熊本県上益城郡嘉島町)
サントリーのサイトレポートで工場の稼働状況の抜粋を見ることが可能です。「物質・エネルギーの流れ」で「インプット」として、エネルギー(燃料・電気購入量)と用水(揚水・購入量) が示されています。ただ、用水に関しては、「サステイナビリティデータ https://www.suntory.co.jp/company/csr/data/data/」では、地下水・河川・湖・上水など様々なデータがあり、集計が不明のため、今回は、「エネルギー(燃料・電気購入量)」で工場稼働状況のみ把握することにしました。
サイトレポート2020 サントリーグループのサステナビリティ サントリー
結果がこれ: 南アルプス白洲工場が圧倒的
使用エネルギー量を示しています。
今回は新規稼働の長野県大町市 北アルプス信濃の森工場 のデータは得られませんでしたが、その範囲では、「天然水南アルプス白州工場/白州蒸溜所 (山梨県北杜市)」が 884 TJ (テラジュール) で圧倒的1位でした。もう一方の指標の用水量は、群馬県渋川市の榛名工場の方が 2485 千m3 で僅差の1位でしたが、エネルギー量等を考慮すると、白洲工場が主力と考えて良さそうです。
一か所だけ離れた位置にある、九州熊本工場は、ビールと水・清涼飲料 の両方を作るハイブリッド工場。ただ、いずれにしてもサントリーの主力工場は、日本の山間部にあることが良く分かる結果でした。
サントリー天然水は販売数量が過去最高に
「サントリー天然水」2021年に過去最高となる前年比6%増の1億2010万ケースを記録したとのことです。
たゆまぬ品質の維持に加え、コロナ禍での過程需要、災害備蓄など、多様な需要を取り込めたのが要因。同時に、水源別(南アルプス・奥大山・阿蘇)だった流通を一本化し効率化したことや、北アルプス工場の稼働による生産体制の強化などが重なったようです。
「水なんて誰が買うのか」と言われた時代から一転、国内清涼飲料市場で年間販売数量No.1のブランドへと成長を遂げた、サントリー天然水。
ニーズを適切に捉えた躍進のようです。