今週のお題「引っ越し」
引っ越しには思い出が詰まっています。
四十歳前後にもなると、引っ越しの回数が増え、その分、思い出も増えました。
引っ越すと、土地だけではなく、仕事・人間関係、全てが変わります。引っ越しについて考えるだけで、自分の人生が走馬灯のように目まぐるしく回っていきます。
1. 初めての引っ越し 22歳。
大学時代は、実家から通っていました。それからも実家から通える距離にあったにも関わらず、親に頼み、一人暮らしをしました。その頃は、「雄ライオンがずっと親と一緒にいるわけにはいかない!!」みたいな決意を持っていました。
2. 仕事についた後の引っ越し 26歳。
仕事に就いた後、それまで住んでいた場所から、職場に近い場所に引っ越しました。洗濯機は置かず近くのコインランドリーで。食事はスーパーのお惣菜。シンプルな生活でしたが、一人で自由を満喫していました。自分の給料で車を買ったのもこの時期です。独身の自由と経済的自由を楽しんだ時期でした。
3. 仕事の転勤に伴う引っ越し 27歳。(冒頭の写真の場所)
職場の異動に伴い、県内異動で引っ越しました。本格的に働き始めて2年目。新人として自信がつきながら、向上心と体力で希望に満ちた時代でした。また、夜の飲み会などプライベートの楽しさを満喫しました。おいしいものを食べ、良く遊びました。一眼レフカメラを持ち、400 ml バイク 真っ白な HONDA CB400 Super Four に乗り、楽しんでいました。
ただ、20歳台後半になり、「このまま流れに乗った人生で良いのだろうか」漠然とした不安が込み上げてきたのもこの時期です。「自分の人生は自分で決めたい」「自分で理解して自分で決めたい」といった気持ちがわき、ステップアップのために勉強のための異動を志願しました。同時に、交際していた彼女に、プロポーズ。人生を決める決断をたくさんしました。
4. 仕事の転勤・ステップアップに伴う引っ越し 30歳。
結婚式を挙げたのち、東京に引っ越し。上京しました。全く知らない土地で知人もおらず、さらに結婚直後の新生活。妻には負担をかけました。忙しい生活の中、帰りも遅く、自分も妻も疲弊しました。4月に引っ越した後、5月頃には休日も手が震えるなどの変化を自覚しました。振り返って考えると当時はメンタル崩壊寸前だったのだと思います。妻も孤独な中、よく支えてくれたと思います。
そうこうしているうちに、子供ができ、忙しくなりました。里帰り出産で、故郷と東京の往復をしながら、生活しました。1年もすると仕事にも慣れポジションもでき、自分も妻も東京生活に慣れたように思います。1-2年位で、週末に東京観光をしながら過ごす、などの楽しみができるようになりました。
「このまま東京で過ごすのもいいかもな」そう思っていましたが、東京生活3年目に故郷の祖母が病気が悪化し、亡くなりました。故郷と東京を往復しながら過ごしましたが、自分と妻・家族の今後を考えると、故郷で過ごすのがベストだ、と思いました。
東京生活4年間で、故郷に帰る決意をしました。
5. 家族で故郷に帰る 34歳。
古巣の職場に戻りました。後輩も増え、指導的立場で過ごしました。この時には子供が二人となっていました。思っていた通り、故郷の環境は良く、空気・水・両親・教育。すべてが快適でした。忙しく過ごしながらも、家族皆、快適でした。
6. 一戸建てを買う 36歳。
故郷では賃貸戸建てに住んでいたしたが、実家の近くの土地が売りに出されていました。「実家で飲んだ後、歩いて帰れる距離」「スープが冷めない距離」に魅力を感じ、戸建て建築を決意。妻とハウスメーカーに通い、引っ越しました。実家の近くで、子供も祖父母とともに会うことができ、楽しそうにしています。また、ちょっとした用事で実家と行き来できるのは、やはり心地よいし、色んな不安が解消されます。
これで、今のところは老後までは引っ越しせず、過ごす予定です。
引っ越しの時に感じること
何故か、引っ越しで物を全て出した後は、部屋の空気がすごく冷たく、床は冷えているんですよね。せつなさがこみ上げてきます。その時の感情は、SUUMO の CM に非常によく表されています。
リクルート SUUMO CM 「最後の上映会(宝もの)」篇
www.youtube.com涙がこぼれ落ちてしまいます。この CM、担当者の方も泣きながら作ったんじゃないでしょうか。勝手な想像ですが、このCM の担当者の方は、主人公女性と同世代の女性なのかな、と考えたりします。
引っ越しは、せつなさもありながら、未来への希望も含む、思い出の総集編だと思います。